動物会議
エーリヒ・ケストナー
『動物会議』は、1949年、第二次世界大戦が終わってすぐに
書かれた絵本。
戦争によって荒廃した人々の心。特に戦争には何の罪も無い
子供の心に栄養を、という思いで生まれた作品なのだそう。
あとがきを読んで初めて知りました。
作品が生まれた背景を知ると、より深く親しみが湧きます。
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様々な動物の言動を借りて「人間(大人)は愚かだ」と痛烈に
批判しながらも、「かといって諦めるのは、もっとよくない」
とも言っています。
動物が開いた会議の目的とは一体・・?!
物語の終盤で、動物たちが議論した結果を条約にして“おえら
いさん”に署名させるシーンがあります。
その条約の第5条が最も心に響いたので、紹介します。
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「これからは、教師がもっとも高い給料を受けるものとする。
子供を真のおとなに育てるというのは、もっとも崇高な、
もっとも困難な任務である。
真の教育の目的は、次の点にある。
すなわち、よくないことをだらだら続ける心が、
もはや存在しないようにすることである!」